54.2005.9.30 松井三郎氏の中西準子氏に対する名誉毀損訴訟を検証する
 (その7) 第3回口頭弁論と新たな展開!

 

あいだが開きましたが、その間に「環境ホルモン濫訴事件:中西応援団」(http://www.i-foe.org/)のサイトが立ち上がりました。関係の資料がよく整理さていますので、是非ご覧下さい。

 

929日に3回口頭弁論が横浜地裁の905法廷でありました。今回の出廷者は原告側がいつもの中下弁護士に加えて神山弁護士。松井氏が出てこないのはこれまでと変わらないが、2人も出て来たのはどうしてか。被告側は弘中惇一郎弁護士と中西準子氏。傍聴人は16名(だと思ったのですが、傍聴人の一人は17名だったと言っていました)。

11時35分頃裁判長らが着席し審理が始まる。まず、原告が先に提出していた証拠書類の甲5号証と甲6号証の差し替えについて、裁判長が原告代理人に確認する(これは、原告側が提出した書類が読めないほど複写が悪いものだったために、差し替えを求められたというお粗末なもの)。

 

次いで、被告側が提出した準備書面1について、裁判長が確認する。被告代理人が、提出を確認し、陳述と確定された。ここで、裁判長が、傍聴人もいるので内容を簡単に説明してくださいと求め、弘中弁護士から、事実に基づいて意見を述べることは名誉毀損には当たらないことは判例から確立している。また、松井氏は講演でナノ粒子の問題を説明したと主張しているが、実際には説明していないことなどが説明された。

 

次に、裁判長から被告側から反訴状が提出されていますので、これも陳述でよろしいかの確認がされ、内容を弘中弁護士が説明する。反訴する理由は、

・原告側代理人はプレスリリースと称して、本訴訟の目的が単に名誉毀損に止まらないことを述べている。つまり、訴訟の目的を逸脱している。

・学問上の議論で批判をされたからといって、訴訟を起こすことは許されない。

・松井氏は訴状や証拠で主張したようなナノ粒子などに関する説明を、実際の講演では述べておらず、名誉毀損の根拠となる事実を偽っている。

などの理由により、この訴訟を起こすことは訴権の濫用であるという趣旨が述べられた。請求する損害賠償は、原告と同額の330万円である。

 

更に、被告側から乙5号証から7−2号証までの提出が確認された。

次回までに原告側は反訴に対する反論を準備してくださいとの裁判長からの指示がなされ、次回の日時の調整に入った。次回は、2005年11月17日(木曜日)11:30から、横浜地裁第905法廷(法廷は予定なので、当日確認してください)と決まって、閉廷(既に予定があり、次回の傍聴ができないのは残念)。以上、約10分以内の審理であった。

 

さて、今回反訴状が提出されたことで、本裁判も一つの曲がり角に来た感じがする。

反訴では原告と被告という立場が逆転する(確かに、被告という呼称は聞こえが良くない)。松井氏も出廷願いたいものである。また、これで訴訟を取り下げてうやむやになる可能性もなくなった。(今回、原告側の弁護士が2名現れたのは、反訴状が出たためだったか。)

さらに、今回の弘中弁護士の説明の中にあったように、「松井氏が訴状や証拠書類で主張している、当日の講演で十分説明したのに、中西氏が理解せず批判した」という事実がない様子なのである。これらのことは、被告側が今回提出した証拠により明らかになるはずである。新たな展開が大いに期待できます。